キスより甘い毒りんご
「彼は……どなた……?」
丁寧な言葉を遣ってはいるけれど白雪ちゃんからは狼狽が溢れ出していてなんだかおかしかった。
「えーっと、だから……彼氏、私の」
「ののの?」
「そう」
「本当に?」
「嘘ついてどーすんの」
「何してたの、こんな時間に」
「あーそうそう!白雪ちゃんが出てた音楽番組!録画してたの、一緒に観てたんだよ。ほら、ちょうど白雪ちゃんのとこだ……はぁーやっぱ可愛いね。誰よりも」
「そんなのどーだっていいからっ!」
白雪ちゃんの手に握られたリモコンによってプツンッとテレビの画面が消えた。
画面以上の奥行なんてあるはずがないのに、
演者達が吸い込まれていくみたいに一瞬で消えた。
目の前には本物の白雪ちゃんと、
本物の白雪ちゃんと私を交互に見て困惑している結。
白雪ちゃんはどう見ても怒っている。
「ど……どーしたの一体」
「聞いてない。彼氏がいるなんて私、聞いてないよ!」
「えーっと、ごめん、ね?言ってなかったね?いるの、彼氏。一年の時から付き合ってる」
「初めまして。藤森結です。白雪さんのことは聞いてました。ドッキリかなって思ってたけど本当だったんですね。お会いできて嬉しいです」
「私はちっとも嬉しくないっ!」
怒っていても可愛い声。
でも表情は本当に怒りに満ちている。
なんで結の存在がこんなにも怒らせているのか分からなかった。
丁寧な言葉を遣ってはいるけれど白雪ちゃんからは狼狽が溢れ出していてなんだかおかしかった。
「えーっと、だから……彼氏、私の」
「ののの?」
「そう」
「本当に?」
「嘘ついてどーすんの」
「何してたの、こんな時間に」
「あーそうそう!白雪ちゃんが出てた音楽番組!録画してたの、一緒に観てたんだよ。ほら、ちょうど白雪ちゃんのとこだ……はぁーやっぱ可愛いね。誰よりも」
「そんなのどーだっていいからっ!」
白雪ちゃんの手に握られたリモコンによってプツンッとテレビの画面が消えた。
画面以上の奥行なんてあるはずがないのに、
演者達が吸い込まれていくみたいに一瞬で消えた。
目の前には本物の白雪ちゃんと、
本物の白雪ちゃんと私を交互に見て困惑している結。
白雪ちゃんはどう見ても怒っている。
「ど……どーしたの一体」
「聞いてない。彼氏がいるなんて私、聞いてないよ!」
「えーっと、ごめん、ね?言ってなかったね?いるの、彼氏。一年の時から付き合ってる」
「初めまして。藤森結です。白雪さんのことは聞いてました。ドッキリかなって思ってたけど本当だったんですね。お会いできて嬉しいです」
「私はちっとも嬉しくないっ!」
怒っていても可愛い声。
でも表情は本当に怒りに満ちている。
なんで結の存在がこんなにも怒らせているのか分からなかった。