キスより甘い毒りんご
「一緒に寝よう」って言ったのはどうやら本心らしく、
いつも通りベッドの中央に仰向けになった私の体を無理矢理壁際に押して、白雪ちゃんは自分がいつも使ってるブランケットに潜り込んだ。

「お泊まり会みたいで楽しいわね」

「もう三日目だよ……四日目かも」

「ふふ。寝ぼけてる?」

「白雪ちゃん」

「なぁに」

「白雪ちゃんは普通の子だよ。んーん、普通ではないんだけど。人に愛されたい……普通の……子、なんだよね……」

「のの。おやすみなさい」

トントン、って赤ちゃんにするみたいに白雪ちゃんが優しい手つきで私のお腹らへんをそうした。

意識が遠のいていく。

白雪ちゃんの体温を感じる。

普通の、特別な、とびきりの私の″恋人″。
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