キスより甘い毒りんご
白雪ちゃんはにっこり笑って、手を振ってくれたんだと思う。
寝ぼけていたし、カーテンを閉め切って電気も点けていないから
白雪ちゃんの表情はよく見えなかった。
ぽすん、ともう一度枕に頭を沈めた。
目を瞑って、白雪ちゃんが歌やダンスのレッスン、ドラマの撮影、雑誌のインタビューを受けたり、
″業界″の人達と楽しそうに過ごしている白雪ちゃんの姿を想像してみた。
白雪ちゃんは完璧だった。
おうちで私達と同じ、ごく一般的な食事をしている時も、
お風呂上がりの素の白雪ちゃんも、
眠っている時の寝息でさえ。
本当におとぎ話のお姫様だって言われたって
きっと誰も疑ったりしない。
どんなに近い距離で白雪ちゃんの体温を感じていたって
業界のことを思うとやっぱり違う世界の住人。
遠い存在だって思ってしまう。
そんなこと言ったら白雪ちゃんはすごく怒るし悲しむだろうけど。
どうしたってやっぱりそれは事実な気がする。
それは自分に誇れるものがなんにも無いからだ。
誰かよりも秀でた何か。
容姿も特技も貫きたい趣味も、
私にはパッと出てくるものが何も無い。
だからこそ結が私を好きでいてくれることは奇跡に近い。
白雪ちゃんが私をとびきりの存在だって言ってくれた時、
恥ずかしくない存在でありたい。
あんなに素敵な子に、私の存在がマイナス効果になっちゃ絶対にだめなんだから。
寝ぼけていたし、カーテンを閉め切って電気も点けていないから
白雪ちゃんの表情はよく見えなかった。
ぽすん、ともう一度枕に頭を沈めた。
目を瞑って、白雪ちゃんが歌やダンスのレッスン、ドラマの撮影、雑誌のインタビューを受けたり、
″業界″の人達と楽しそうに過ごしている白雪ちゃんの姿を想像してみた。
白雪ちゃんは完璧だった。
おうちで私達と同じ、ごく一般的な食事をしている時も、
お風呂上がりの素の白雪ちゃんも、
眠っている時の寝息でさえ。
本当におとぎ話のお姫様だって言われたって
きっと誰も疑ったりしない。
どんなに近い距離で白雪ちゃんの体温を感じていたって
業界のことを思うとやっぱり違う世界の住人。
遠い存在だって思ってしまう。
そんなこと言ったら白雪ちゃんはすごく怒るし悲しむだろうけど。
どうしたってやっぱりそれは事実な気がする。
それは自分に誇れるものがなんにも無いからだ。
誰かよりも秀でた何か。
容姿も特技も貫きたい趣味も、
私にはパッと出てくるものが何も無い。
だからこそ結が私を好きでいてくれることは奇跡に近い。
白雪ちゃんが私をとびきりの存在だって言ってくれた時、
恥ずかしくない存在でありたい。
あんなに素敵な子に、私の存在がマイナス効果になっちゃ絶対にだめなんだから。