キスより甘い毒りんご
白雪ちゃんとマネさんが病院に搬送されて
すぐに処置室に運び込まれた。
私が居たって何かできるわけじゃないけれど
少しでも近くに居たかったから一晩、病院で待つことにした。
ママに連絡したら電話の向こう側でママが強く息を吸い込む音が聴こえた。
ママとパパがすぐに病院に駆けつけてくれて
結も付き添うと言ってくれたけれど、結のご両親が心配するからと、
パパが結をおうちまで送っていった。
「連絡待ってる」
「うん。結」
「ん?」
「一緒に居てくれてありがとう」
「絶対大丈夫だから。ののもちゃんと休みなよ」
「うん」
結とパパの背中が自動ドアを通って見えなくなるまで見送った。
ママに促されてフロアの椅子に座る。
救急外来以外は稼働していない院内はシン、としていて
無機質に、規則正しく設置された椅子と暗い照明が不安を煽る。
「結くんが一緒に居てくれてよかったわ」
「うん……一人じゃ何もできなかった」
「白雪ちゃんの居場所を突き止めて偉かったわね」
「ん……うん……」
ママの声を聞いていると自然と涙があふれてくる。
白雪ちゃんだってきっとすごく不安なのに。
ご両親にそばに居て欲しいはずなのに。
すぐに処置室に運び込まれた。
私が居たって何かできるわけじゃないけれど
少しでも近くに居たかったから一晩、病院で待つことにした。
ママに連絡したら電話の向こう側でママが強く息を吸い込む音が聴こえた。
ママとパパがすぐに病院に駆けつけてくれて
結も付き添うと言ってくれたけれど、結のご両親が心配するからと、
パパが結をおうちまで送っていった。
「連絡待ってる」
「うん。結」
「ん?」
「一緒に居てくれてありがとう」
「絶対大丈夫だから。ののもちゃんと休みなよ」
「うん」
結とパパの背中が自動ドアを通って見えなくなるまで見送った。
ママに促されてフロアの椅子に座る。
救急外来以外は稼働していない院内はシン、としていて
無機質に、規則正しく設置された椅子と暗い照明が不安を煽る。
「結くんが一緒に居てくれてよかったわ」
「うん……一人じゃ何もできなかった」
「白雪ちゃんの居場所を突き止めて偉かったわね」
「ん……うん……」
ママの声を聞いていると自然と涙があふれてくる。
白雪ちゃんだってきっとすごく不安なのに。
ご両親にそばに居て欲しいはずなのに。