キスより甘い毒りんご
「分かったぁ」

「のーの!本当に嬉しかったのよ?ののが一緒に居てくれて」

「分かってるよ」

「明日、迎えに来てくれる?」

「当たり前でしょ」

「ありがとう」

昨夜ママが使っていたソファの前には、
食事や作業ができるようにテーブルも用意されていた。

ママに迎えに来てもらえるように電話をしようとスマホを取りに近づいた。

「あ」

「なぁに?」

「白雪ちゃん、コレ……」

「わぁ……なぁに、それ……」

「えーっと……りんご飴」

ニッと口角を釣り上げた私に、白雪ちゃんもニッと苦笑いした。
きっと今、私達はおんなじ表情をしている。

握って、白雪ちゃんに突きつけた、飴がドロドロに溶けてしまったりんご飴。
部分的に皮がめくれているりんごも茶色く変色している。

まさに毒りんご。
世にも美しいお姫様を殺してしまう兵器だ。
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