キスより甘い毒りんご
なんてことを思っていたら白雪ちゃんが「情けないわねぇ」って言って、嘲笑するみたいな表情をした。

「まったく、捨てちゃうなんて。私ならどんな状態でだって食べるのに。ののが与えてくれたものならぜーんぶね!」

白雪ちゃん、それは危険思考です。

結が「さすがだなぁ」って言って笑った。

「来年は諦めないでもう少し社長にもお願いしてみるわ。のの達とお祭りに行ってみたいって」

「だめでもさ、またいろいろ買ってきてミニお祭りしようよ。小さい花火ならどこかでできるかもしれないしさ」

「そうね。楽しみにしてる」

「俺も仲間に入れてもらえますか?」

「しょうがないわね。仲間外れになんかしたらののが泣いちゃうから。ののの為よ!」

「やったぁー。白雪ちゃん、だーいすきっ」

「私も大好きよ」

「うっ……」

とびきり可愛い笑顔で放たれた、推しからの「大好き」の言葉。
家宝にいたします……。

「あれ、俺もしかして邪魔者?」

「あら。気づいてるならそっと立ち去るのが紳士ってものよ?」

「あはは。相変わらず結に厳しいなー」

「いや、これも他の人達は体験できないことだからさ。ありがたいっす」

「え、結くんってばドMなの」

「え、結、そーなの?」

「その目やめてくれー」
< 83 / 85 >

この作品をシェア

pagetop