キョウ愛
「でも、条件がある」
「…なに?」
「奏哉が殺して?」
「…」
「…」
ふたりとも、なにも言わなかった。
「早く」
そう急かせば引かれるトリガー。
「好き、だよ…」
あえてどちらが、とは言わなかった。
でも、奏斗はわかっていたんだよね?
私、好きな人に重い荷を背負わせたくないとか、そんなイイ子じゃないの。
好きな人には、どんな方法でも、ずっと覚えていて欲しいから、さ…
自分の手で殺めた幼馴染み、でも、いいからさ…