君の王子になりたくて
「そんなことしても俺は君を好きにはならない」
「っ…」
「それと、さっきの話も俺は絶対君を許さないし今後二度と俺と綴ちゃんに関わらないでくれる?」
できるだけ冷たく言い放つと、山田さんは目に涙を浮かべて俺を睨む
「…早川くんが悪いんだよ
私達に優しくするからっ、あんなの誰だって勘違いする」
そんな言葉に一瞬、嫌な汗をかいた
そうだった、俺は綴ちゃんにいい所を見せたくて
周りを利用してた
そんな卑怯なことするから綴ちゃんにも愛想つかされるんだよな
「ごめん、でも俺は君達の王子様ってやつになりたいわけじゃないから」
「…っ、ひどい」
山田さんが泣いていてもなんとも思わない
あんなに心乱されるのは綴ちゃんだけなんだ