君の王子になりたくて
「もちろん!今でもいいよ?!」
私でよければいつだって話し相手になるよ
だって伊月くんには何度も助けられてるもん
今だってそうだ
「いや、いい
今言ったら卑怯な気がするし、真田さん絶対パニくる」
「そ、そんなに驚くことなの…?」
まかせて、と意気込んだけれどそんな風に言われたらちょっとだけ不安になってきた
伊月くんの顔を覗き込むとどーだろ、と濁されてしまう
「じゃあ、また今度聞くね」
「ん、よろしく」
沢山助けてもらってばかりで今すぐ力になれないのは口惜しいけど、伊月くんのことだからまた私に気を使ってくれたんだと思う
だから、今度その話を聞けた時は私にできることならなんでも力になろうと決心する
そして、伊月くんに優しく微笑まれていつの間にか涙は止まってた