君の王子になりたくて
文化祭も終わりに近づき、私は伊月くんと別れた後教室の片付けをしていた
なんだか今日はいろいろありすぎて文化祭どころじゃなかったな…
もう少しいろんなクラス見て回りたかったけど、仕方ない
「ね、ねぇ綴…」
残念、なんて思いながら椅子を運んでいるとほうきを持った茜が私に何かを言いづらそうにしている
「なぁに?」
「あの、さ…早川王子となんかあった?」
的を射すぎている茜の言葉に一瞬びくっと肩を揺らす
「なにも、ないよ…」
無理に笑って見せた瞬間、隣でバキッと何かが折れる音がして
「月乃っ!ほうき折らないでっ!!!」
「許せない、綴が泣いて晴れた目をしてるのもこのほうきが折れたのも全部早川のせいよっ…!」
とてつもなく黒いオーラを纏った月ちゃんが真っ二つに折れたほうきをもったまま茜に取り押さえられていた