君の王子になりたくて

雨が連れてきてくれたもの


♢♢♢

その後すぐ、片付けは明日にして早下校になった

外に出るともう空は真っ黒い雲に覆われていて今にも雨が降り出しそう

雷の音も聞こえるし、早く帰らなきゃと思ったところで下駄箱を振り返った


響くん、きっと傘もってないよね…

うん、響くんのことだから絶対に降りたたみ傘なんてもっているはずがない


A組の下駄箱を除くと響くんの靴はまだ残っている


私はその中にピンクの降りたたみ傘を置いてその場を離れた



………………



「うわっ、急に降ってきた!」


帰り道、家までもう半分という所で土砂降りの雨に降られて私はカバンを傘代わりにして走る


急いで帰ると家に着く頃には下着までビショビョショになってしまっていた


…うわぁ、ずぶ濡れっ

頭から水を被ったみたいに濡れてしまったので、急いで私はシャワーを浴びる


雨で冷えた体を温めてから出ると
インターフォンのチャイムがなった


< 112 / 140 >

この作品をシェア

pagetop