君の王子になりたくて
「もう、大袈裟だよ」
ふふ、と笑って慰めるみたいにふわふわの髪を撫でる
響くんはちょっとだけ顔を顰めて私を睨んだ
「大袈裟なわけないって、何年こじらせたと思ってんの?
綴ちゃん本当に鈍くて大変だったんだから…」
「わ、私のせいなのっ…?」
「違うの?」
た、確かに長い間響くんの気持ちに気づかなかったのは私も悪いけど…
元はと言えば…!
「だって!響くん昔からすきすきってよく言ってたし…スキンシップだって多いし、ちゅうだって何回もしてたから…あんなのわからないよっ!」
はじめから告白なら告白だって言ってくれたらよかったのにっ!
そしたら私だってこんなに悩まなかったよ!?
「そう?結構素直に伝えてただけなんだけど
まぁ、綴ちゃんの周りに男が居ないのは俺のせいでもあるし他と比べられなくて気づかないのは仕方ないか」
「い、今なんて言ったの…?」
「んー?まぁそんな感じで警戒してはいたんだけど
伊月に目つけられた時はほんと、どうしようかと思った」
なんだか聞き捨てならないセリフが聞こえてきて聞き返すけど、曖昧にされてしまった
なんで今伊月くんの話が…?