君の王子になりたくて


「ひ、響くん!!!それやめてって言ってるでしょお!!!?」



ぐっと響くんの胸を押し返して体から剥がす

驚きすぎて声が裏返っちゃったよっ
甘えん坊な響くんは距離感がバグを起こしてて困る

どっどっ、と心臓がおかしいくらい音を立てて全身に血を巡らせた



「別に良くない?
昔はよくやってたじゃん」



「もう子供じゃないんだからだめですっ!!!」



「もしかして、恥ずかしいの?
照れちゃって綴ちゃん可愛い〜」



「なっ、ちが…っ
もうしらない!!!」



なんの悪気もない響くんにぴしゃり、と言い放ち玄関を飛び出る


無邪気に抱きしめあっていた子供の頃とは違うのに、それを響くんは全然わかってくれない


もう、本当にびっくりした


いくら幼なじみとはいえ男の人に抱きしめられたら誰だってドキドキするよ

私は生まれてから一度も彼氏がいた事なんてないし、男の子に耐性がないから響くんのスキンシップに心臓がもたない



ってそんなことより時間やば!

委員会間に合うかな?

本当に私の朝はドタバタだ…





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