君の王子になりたくて
嫌な予感がしてたらりと嫌な汗が垂れる
「ねぇ綴、ほんとに何も知らないの?」
「う、うん…知らな、い…」
「そっかぁ、じゃあやっぱりデマなのかな?」
あきらかに知らなくなさそうな言い方になってしまったけどなんとか平成を装う
これは後で響くんにちゃんと聞かなきゃ…
それにしても響くんが…?
想像もつかない…
不機嫌だったり怒ったりはするけど、脅すなんて…
一体山田さんはどんな恐怖だっただろう
いつもニコニコしている響くんがそんな事をしてたら…
想像しただけで私まで身震いしてしまう
「あ、向井くんだっ
今日もかっこいい〜…」
「あんた、本当単純ね」
震える私の横で落ち込んでいた茜が廊下を歩いている向井くんを見つけた瞬間たちまち笑顔になる
そんな茜を見て月ちゃんは呆れたように少しだけ口角をあげていた
あ…伊月くんだ
ふと、向井くんと一緒にいるもう1人の伊月くんに目がいく