君の王子になりたくて

君の王子になりたくて



♢♢♢


「響くん…いい加減にして!!」



放課後、久しぶりに来た響くんの部屋で私の背後にいる家主に声を荒らげた

期末テストの範囲教えてあげる、なんて言葉にまんまと騙されて教科書すら開いていない響くんには呆れたもので


さっきから勉強してるのにちゅっちゅ、ちゅっちゅと…

後ろからお腹に手を回され、後頭部だの背中だのにキス攻撃が始まって早1時間…



「やだ、まだくっついてたい」



「もうっ!こんなんじゃ全然終わらないよっ」



休憩っ!とペンを置き、ペットボトルの蓋を開けた

まったく響くんは正式に彼氏になってから前にも増して甘々のベタベタになった気がする…



「このくらいで集中切らす綴ちゃんがやる気ないだけだって」



「むっ、響くんみたいな天才に凡人の気持ちなんかわからないよ」



そりゃあ、やる気がないのは事実だけど…
だって数学苦手なんだもん

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