君の王子になりたくて


「…天才ね」

まったく勉強する気のない響くんはなんだか含みのある言い方をしてまた私の背中にくっついた

…これじゃ休憩にした意味がないよ


「あ、そうだ
響くん山田さんに何か言ったの?噂になってたけど…」


茜が言っていた早川王子の噂
テストのことですっかり忘れてたけど、真相を聞かなきゃいけない


「何も?ちょっとお願いごとしただけ」


「…本当?」


「うん」


…。
それだけで山田さんが怯えるだろうか…
絶対嘘だと思うも話す気がなさそうなのでこれ以上は聞かないことにした

なにがあったか知らないけどどんな怒らせ方したら響くんに脅されるなんてことがおきるんだろう…

想像しただけで背筋が凍る


「それよりさ、俺のクラス文化祭で売上1位だったでしょう?
景品でデデ二ーランドのチケットもらったから綴ちゃん一緒に行こ」


「えっ、いいのっ?!」


茜が狙っていた景品は確かに魅力的でちょっとだけ私もいいなぁ、と思っていたから嬉しい

実は私、テーマパークの類が大好きなんだよね


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