君の王子になりたくて
確かにこのヒーローに憧れてた時期はあったけど…
それって小学2年生くらいのはず
思えば響くんが急にモテ出したのもその時期だ
ってことはやっぱり…
「私の王子様になりたかったの?」
「…っ、そ」
拗ねた子供みたいにぷい、とそっぽを向かれ
その姿がどうしようもなく愛しくなる
「…」
「見た目も王子キャラだって全部それの受け売り…
あぁもう、絶対バレたくなかったのに…っ」
「…」
「綴ちゃん、俺今死ぬほど恥ずかしいんだから何か言ってよ…」
「…うん、好き」
「っ!?ちょ、いや今のはドン引きするとこで…
抱きつくとこじゃないよ…?」
響くんからしたらそうなのかもだけど、私にとっては全部が嬉しくて愛おしい
そんなに前から私のことを思っていてくれた事実に、涙が出るほど幸せなんだ
この想いが伝わるようにぎゅーと響くんを抱きしめる