君の王子になりたくて
「響くんが好き、大好き」
「…綴ちゃんって本当俺に甘いよね」
それはしかたないよ、そんなことわかってるくせに
ぎゅ、と抱きしめ返されてもっと距離が縮まった気がした
「私のためにこんな可愛いことしてたなんて、嬉しすぎてにやけちゃうよ」
「綴ちゃんの前では全然王子ってキャラじゃなかったけどね」
「みんな早川王子がこんなに不器用で可愛いだなんて知ったら驚くよ」
学校での王子様な響くんも、私だけに見せてくれる不器用なところも好きで好きで仕方ない
幼なじみで響くんのことならなんでも知ってると思ってたけど、まだまだ知らないことがあったみたいだ
「みんなの王子様になりたい訳じゃないよ
子供の頃から、俺のお姫様は綴ちゃんだけだから」
恥ずかしすぎる台詞も響くんの甘い声で言われると、全身の体温が上がる
そんなことをさらっと言えちゃう響くんはやっぱり王子様だな、なんて思う
どうしようもなく好きって気持ちが溢れて胸がきゅうと締め付けられた