君の王子になりたくて


「卵ふわふわがいー」


「わかってるからくっつかないで!
火使ってる時は危ないよ…っ」



にこにこ、とオムライスがそんなに好きなのか響くんは玉ねぎを炒める私の肩に顎を置いてくる


本当に響くんの距離感はバグだ

幼なじみにしてもくっつき過ぎじゃない?と思うけど、これも姉弟のように育ってしまったせいか…

どっちかって言うと親子みたいだけど…



「なんで響くんって学校だと別人みたいなの?」



「…そうなの?」



なんとなく今まで聞いたことなかったな、なんて思って問いかけると響くんは驚いたような表情をして質問を返してきた



「うん、だってみんな早川王子って呼んでるの知ってるでしょう?」



「知ってるよ、俺結構ちゃんと王子でしょ?」



うん、とは言えない返しに目線を泳がせてしまう

だって響くん甘えん坊だし不器用だし、こんな王子様いないよ…


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