君の王子になりたくて


菜乃葉さんがいなくなってから響くんは食欲が無くなっちゃって痩せちゃってたけど、今となっては大盛りのオムライスをペロリと食べちゃうくらい元気になってよかったな


「あ、そうだ
母さんのところ綴ちゃんも行こうね」


「そっか、もうすぐだったね」


私が考えていたことを響くんが先に話してちょっとだけ驚く

やっぱり幼なじみってすごい、響くんも私と同じこと考えてたんだ



「今年はなんのお花がいいかな」


「綴ちゃんが選んでくれるなら母さんなんでも喜ぶよ」



私達は毎年2人で菜乃葉さんの命日にお墓参りしている
生前、お花屋さんで働いていた菜乃葉さんに綺麗な花束を持っていくんだ



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