君の王子になりたくて
そしてカラオケ店にて
私は1人“出会い”どころじゃなくなっていた…
「ねえっ、やばくない!?
早川王子が来るなんて聞いてなかったのにっ」
ヒソヒソと私達だけに聞こえるよう耳打ちしてくる茜は向井くんという人がいながら響くんにとてもはしゃいでいる
な、なんで響くんがここに…
しかもすっごく不機嫌そうだし…
ノリノリな歌を歌う向井くんをいつもの王子様スマイルで見つめているけど、私にはわかる
目が笑ってない…
何があったのか知らないけどああなった響くんは機嫌を治すのが大変なんだ
「早川王子って中々遊びに誘っても来ないんじゃないの?」
「それがさぁ、向井くん達が話してたところに自分から来たいって言ったらしいよ…早川王子カラオケ好きなのかな?」
「ふうん、さっきから彼一曲も歌ってないけど」
月ちゃんの言うと通り、歌いもせずただ皆の歌う所を見つめてるだけの響くんに私は冷や汗が止まらない
なんであんなに不機嫌なんだろう…?