君の王子になりたくて

とんでもない事態になると慌てふためいていると、響くんは私の隣に座って言う



「もう隠さないよ、幼なじみで俺の彼女ってちゃんと公表する」



「………へ？」



「“恋”してみたいたいんでしょ？
だったら俺が綴ちゃんの彼氏になる」



な、何を言ってるの…？

私が甘やかし過ぎたせいでついにおかしくなっちゃったんだろうか…


意味がわからなすぎて空いた口が塞がらない



「あの、響くん…冗談はやめようね？」



「冗談じゃないよ、もう決めたし
それに俺、綴ちゃんのこと好きだから」



なんてことを…

そりゃあ、これだけ懐かれていれば私のことを好きなのもわかるけど

響くんの好きは幼なじみの好きでしょう？

きっとこの子は私に彼氏が出来たら自分のことを蔑ろにされて困るから彼氏になるとか言ってるんだ

絶対にそうだ…