君の王子になりたくて
「んー…っ!?!」
意味がわからなくて何度も目を瞬かせる
気づいた時には響くんが私から離れていて
「やば、綴ちゃんとのキス久々」
ぺろりと自分の唇を舐めた響くんの表情に一瞬大きく心臓が揺れる
同時に顔が燃えるように熱くなって私は1ミリも動けなくなってしまった
「あれ、綴ちゃん…?」
「…っ」
「大丈夫?」
異変に気づいた響くんが私の顔を覗き込む
「き、キスなんてっ…いきなり!だめ!!」
「でも俺ちゃんと確認とったよ?」
う、うそ!?
もしかしてさっきの“いい?”てこれの事!?
頼まれたら断れない性格がこんなところで取り返しのつかないことになるなんて…
自分の浅はかさに落胆する
「顔真っ赤、綴ちゃんかわいい」
「っ、可愛くない!!!」
言いたいことは沢山あるのに頭も追いつかないし上手く口が回らない
確かに昔は子供の無垢な愛情表現でちゅう、なんてしてた記憶はあるけど…
私達もう高2だよ!?