君の王子になりたくて
「まさか、もう手出されたりしてないわよね?」
突然顔を上げた月ちゃんにじっと見つめられて昨日のことを思い出す
瞬間、ボンッと赤くなった私を見て
「早川滅っ!!!!」
「ちょっとストップ月乃!!キャラブレてるってぇっ」
教室から飛び出していきそうな月ちゃんを茜が必死に引き止める
ま、まずい月ちゃんが暴走してるっ
「ま、まって月ちゃんっ
まだキスしかされてな…」
「ばか!綴それ地雷!!!」
「あんの早川ぁぁっ!」
あ、と思った時には遅くて茜ごと引きづりながら今にも怪獣になりそうな程怖い顔した月ちゃんが必死に廊下へ出ようとしている
やめてぇ、と茜に加わって月ちゃんを抑えているところで先生が来たので無事終息した
こんなことになるってわかってたのに止められなかった私の責任だ…
響くんも普段こんなに大掛かりなわがまましないのに、一体どうしちゃったんだろう?
はぁ、と項垂れて授業開始のチャイムを聞いた