君の王子になりたくて
「綴ちゃん帰ろ」
「う、うん…」
放課後、授業が終わると共に迎えに来た響くんは私のバックを持って言う
正直一緒に帰るのはいいんだけどさっきからクラス中の視線が痛い
廊下にまで他クラスの女の子達がこちらを覗いてヒソヒソと何かを言っている
あぁ、はじまった…
こんな日々がこれから毎日…
嫌過ぎる、と絶望していると私と響くんの間に月ちゃんの細い手が伸びてきた
月ちゃんは鬼の形相で響くんを睨みつけ今にも飛びかかりそう
「つ、月ちゃん…?」
「月乃やめなさいっ!ごめんね早川くん
この子重度の綴命でさぁ〜…」
月ちゃんと響くんの間に割って入った茜がなんとか仲を取り持とうとするけど…
「早川…滅…」
そんな言葉を月ちゃんは連呼している
あぁ、月ちゃんまでおかしくなっちゃってる…