君の王子になりたくて


「今年の文化祭は一緒に回ろうね、俺と」


「え!?でも…あ」



そうか、もう私達が幼なじみってみんな知ってるんだ
いや幼なじみどころか彼女ってことになってるけど


いつも学校では極力関わらないようにしてたから新鮮だけど、ただでさえ今一番注目されている私達がいたら…



「嫌なの…?」



うっ、だからその顔やめてよ…

またもや捨てられた子犬みたいな目で見つめられて



「…いい、よ…」



頷いてしまった…


わ、私のバカっ
なんでも断れない癖いい加減なおさないとまずいよ…


どんどん響くんのペースになっちゃうのに



「ほんと?楽しみ
俺の所にもおいでね、綴ちゃんが来たら全部サービスするからさ」



「もう、そんなことしたら怒られちゃうよ?」



無邪気に笑う姿がちょっと可愛くて
まぁ、いっかなんて思ってしまう私も相当彼に甘いな…





だけど、その文化祭で起こる大事件を私達はまだ知らないー…



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