君の王子になりたくて
「そうですよ、一人一人に合わせたオートクチュールですから、一度来てみたら絶対に気に入ります。
なんて言ったってクラスの男子達全員がその人にあったデザインを投票で決めたんですからね」
し、知らない…
そんなの知らないよ…
自信満々に言う福田くんにぶんぶん、と首を振って意思表示するも全く聞き入れてはくれない
「私、こんな可愛いの似合わないし…それにほらサイズ測ってないから合わないかも…」
「ご心配なく、デザイン投票の基準が“その子に一番似合うチャイナ服”ですし、サイズは日頃からしっかり計りました。僕の目に狂いはありません」
も、もしかして福田くんがいつもメモしてるあれって…
考えたくもない想像にたらり、と冷や汗が垂れる
「こんな変態が作った衣装なんて誰が着るのよ、私達は制服のままでいいわ」
月ちゃんの前にある衣装は私とは全然違って青のロングチャイナ服
だけどだいぶ際どい部分からスリットが入っていてこれはこれでとてもじゃないけど着れない…
月ちゃんからも絶対着ないという確固たる意志を感じる
「みんな着てるし大丈夫!絶対似合うから…っ
おねがぁい…!ね?綴が着てくれたらお店繁盛間違いなし!!」
「っ…いや、でも」
「皆で頑張って準備したし、どうせなら売上1位とりたの…っ」