君の王子になりたくて


私がそれを着ることで売上は上がらないと思うけど…

だけど、だけど、そんな潤んだ瞳で茜に見つめられたら…



「……う、わか、った…」



「本当!?ありがとう綴っ!!
絶対可愛いから安心して着替えてきて?!」



また、断れなかった…

まぁ私のことなんて誰も見てないし、他の子も着てるならとしぶしぶ衣装を受け取る


大喜びの茜は真っ赤な王道チャイナドレス…
私も着るならそっちがいい…



「ってことで、綴が着るんだからもちろん月乃も着るよね?2人で更衣室行ってらっしゃい」



「茜…あんた後で覚えてなさいよ」



「月乃を欺くならまず綴からってことわざがあるのよ〜」



それを言うなら敵を欺くにはまず味方からでは…?

ご満悦の茜を睨みつける月ちゃんと仕方なく更衣室へ向かった



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