君の王子になりたくて
制服もよれよれでネクタイもちゃんと閉められず諦めたのか肩からかけている姿は学校の王子様だなんてとてもじゃないけど思えない
「シャツもアイロンかけるから脱いで!洗面台使っていいから1回髪洗ってね…っ
こらっ!それ私の朝ごはん!」
食べかけのトーストを盗まれて取り戻そうとするけど私の身長じゃ届かなくて、パンはすんなり響くんの口に吸い込まれていく
まったく、毎朝毎朝…
髪のセットもシャツのアイロンもネクタイも1人じゃできない不器用人間
「やっぱ綴ちゃんが焼いたトーストうま」
それに超ズボラの甘えん坊
響くんのどこが王子なの…?
私には超絶手のかかる幼なじみ、弟みたいな存在だよ
「毎朝来るのなんとかしてよぉ…
響くんだってもう大人でしょう」
仕方ないんだから、とトーストを諦めて新しいのを焼く