君の王子になりたくて
そんなこんなで始まった文化祭はうちのクラスの中華が珍しいこともあって大盛況
大忙しの店内に続々とお客さんを連れて帰ってくる男子達
「綴!小籠包2つと肉まん3つ、五番に持って行って!」
「は、はいっ!」
作る運ぶ片付ける、の3つを器用にこなしながら所々に指示を出す茜とは違って私は出来上がった物をテーブルに運ぶことしかできなくて
それでも忙しいのに茜はすごいや…
「お待たせしましたっ」
お客さんに品物を出したらすぐまた違うテーブルに注文を取りに行くの繰り返し
大盛況なのは嬉しいけど結構大変っ
響くんのクラスに行く時間あるかなぁ…
午後は文化祭を回る予定だから私達は午前中の当番にしてもらったけど、これじゃあ忙しくて行けなさそう
「えっと、ご注文は…って、伊月くん!?」
「随分忙しそうだな」
注文を取りに行ったテーブルに座る3人組
伊月くんに向井くん、それとあの日カラオケにいた野村くんだ
茜っ、向井くん来てるよっ!?
はっとして振り返ると茜はそんなの全然気づいていなくて目まぐるしく皆に指示を出している