君の王子になりたくて
長蛇の列を進み、A組のドアから少しだけ顔を出して中をのぞき込む
するとそこには
「おかえりなさいませ、お嬢様」
黒のスーツ、いや執事服を着た響くんの姿があった
な、なにあれ…?
お嬢様…?
「早川王子が執事になってくれるなんてさいこーっ」
「いっぱい並んだだけの価値あるよね〜」
そんな言葉が列の中から飛び交っていて、やっぱりこの子達は響くん目当てで間違いないみたい
A組のカフェって…執事カフェ!?
「お兄さんかっこいい〜っ」
「素敵なお嬢様にお褒め頂いて、光栄です」
エンビ型の執事服に丸いお盆を持って飲み物を運ぶ響くんはいつもよりキラキラして見える
すごい…完全に執事になりきってる
にっこり微笑んだ響くんにお客さんの女の子は顔を赤くして今にも倒れてしまいそう
さすがうちの学校の王子様…