君の王子になりたくて
「ごめん、俺綴ちゃんのクラス行こうとしたのに…
途中で抜けたら午後も担当させるって言われて」
申し訳なさそうにしゅん、とする響くんに下がったしっぽと耳が見える…
そんなの気にしなくていいのに
こんなにお客さん並んでたら当たり前だよ、それにみんな響くん目当てなんだし
「大丈夫だよ、そんなことより戻らなくていいの?」
「ん、もう俺の担当時間終わりだから
まっててすぐ着替え…」
執事服似合ってるのにもったいないな、なんて思っていると響くんが途中で言葉を詰まらせて
「綴ちゃん、なにその格好」
「あ、これねうちのクラスの衣装
福田くんが作ったんだってすごいよね」
ぴらり、とスカートの裾を持ち上げて見せてみる
するとふわふわの笑顔はどこへやら響くんがピシリと一瞬固まって一気に不機嫌な顔になってしまった
なんだろうと見つめると自分の上着を私に着せてくる
サイズがあってないそれは上着なのに私が着たらワンピースみたいだ