君の王子になりたくて


「ちょ、ちょっと!響くん!?こっち女子更衣室だよ!?」



廊下で待っててくれると思いきや中まで入ってくるものだから慌ててだめだめ、とするも響くんは更衣室の扉を閉めて鍵をかけた



「伊月に会ったの?」



「え、うん…うちのクラスに向井くんと野村くんが来てくれて…」



「それで?」



「あ、午後にA組の席とっておくから響くんとおいでって言ってくれたの」



響くん、なんか怒ってる?

じりじりと迫られてついに背中が壁に着く

すると響くんは私に着せていた上着を肩から脱がして



「こんな格好、俺以外の奴に見せて…
悪い子だね綴ちゃん」



「ひ、響くん…?」



衣装をじっと見られていると思ったら腕を掴まれ、二の腕に響くんの唇が触れた



「っ〜〜〜!?」



何してるの!?!

驚きすぎて声にならない悲鳴が上がる

同時に全身の体温が上がって顔が熱い



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