君の王子になりたくて
曖昧で脆い
♢♢♢
「お、お待たせ…」
着替え終わって更衣室を出ると、いつもの制服姿で私をまっていた響くん
うぅ、さっきの今で顔を合わせるのが恥ずかしい…
「どこから回る?」
私の気持ちとは裏腹に響くんに変わった様子はなく、文化祭の校内案内図を開いてる
響くんにとってはあんなの恥ずかしくもなんともないことなんだろうか…
私は未だに顔が火照ってるのに…
なんだか私ばかり翻弄されてちょっぴり悔しい
「綴ちゃん聞いてる?」
「あっ、ごめん
えっと…とりあえず響くんのクラス行きたいな
伊月くんが席取ってくれるって言ってたし」
「…、いいよ、行こっか?」
ん?今謎の間があったような…
気のせいかな?
伊月くんの名前があがった瞬間少しだけ反応した響くんに首をかしげ、後を追う