君の王子になりたくて
「恥ずかしがってるのほんと可愛い、ずっと見てても飽きないな」
「何言い出すのっ…
やめてよこんな所で…っ」
「ここじゃなかったらいいの?」
意地悪な笑みを浮かべる響くんに恥ずかしすぎて何も言えなくなってしまった
っ…
甘い言葉に翻弄されて私の顔がみるみる赤くなっていくのが自分でもわかる
響くん、またそんなこと言って私をからかうんだから
「ねぇ、早川くん
ちょっといい?」
顔が熱くてパタパタと手で仰いでいると、1人の女子生徒が話しかけてくる
…確か、山田さん?だったよね
前に響くんに私との関係を直接聞いてきた子だ
「早川くんジュースの箱取りに行くの手伝ってくれない?今ちょうど人足りてなくて」
「ごめん、俺の担当時間終わってるし他の人に頼んでもらっていい?」
「今手が空いてる人誰もいないの…
お願い、ね?いいよね真田さん?」
キッパリ断る響くんから目標を変えて私に視線を移す山田さん