君の王子になりたくて
いない…
2人ともここにはいないのかな?
なんて思っていると、理科室の奥の準備室から話し声がした
「今の、早川の声だったよな?」
「う、うん多分…」
なんで2人で狭い準備室なんかに…
と、不思議に思いながらドアノブを捻って扉を開けると
「…っ、綴ちゃ…」
山田さんと抱き合ったままの響くんと目が合った
瞬間、嫌な汗が背中に垂れる
指先が冷たくなっていって上手く声が出ない
見たままの状態を言えば
2人が抱き合ってキスしてたってこと
ただそれだけのことなのに意味がわからなくて、何も言えなくてただその場に立っているだけ
「…邪魔したな」
私と同じく現状を見ていた伊月くんが私の腕を引っ張って準備室を出る
あれ…私なんで…
なんで、こんなに悲しいんだろう
だって、響くんは幼なじみで
今も幼なじみの好きで
そんなんじゃないはずなのに…