君の王子になりたくて
なんでこんなに苦しいの?
胸が苦しくて苦しくてたまらない
まるで引き裂かれた様な痛みが全身の体温を奪っていく
「綴ちゃんっ…まって!」
理科室に響いた響くんの声に私と伊月くんの足が止まる
「今のは」
「大丈夫だよ、なんとも思ってないから」
自分でも驚くほど冷たい声が出た
感情の整理はついていないはずなのに、勝手に言葉が溢れてくる
「私達、“幼なじみ”なんだから別に言い訳する必要なんてないでしょう?」
そう、私達はただの幼なじみ
だから響くんが他の女の子とキスしてたって…
無理やりの笑顔を作って見せる
だめ、泣いたりしちゃ
平気だよって顔しないと