これを運命というのなら

story:1

「やっぱり私は接客業したいな」

大学3年の終わり、親友の恵美とルームシェアしてる2DKのアパートで呟いたのが始まり。

「そうやな、綾乃は向いてるんちゃう」

この恵美の言葉も私の背中を押してくれた。


もしも、その時に別の就職先を選んでいたら……私の人生は違ってた?

タラレバの話は好きじゃないけど、タラレバをしたくなるやん?

と、、、恵美に話している私はあの人と終止符をうったばかり。

それやのに気になるのは、完全に冷めたとは言い切れへんから。


「別れる前に見に行かへん?毎年行ってた桜」

そう言われて見に行った帰り道。


何か困ったことあったら頼ってこいな!


あの人らしい言葉で、わかったって言ったけど。

頼れないのは頼ったら戻る前提が、また甘えてるみたいで嫌だから。

この変な私のプライドをどうにかして!

もう!私はどうしたらいいん?


「自分の心とよく向き合うこと!あたしからすれば、綾乃は想われてるで。何だで……いい男やんか。ルックスもスタイルも無駄に男らし過ぎる性格もな!」


恵美はそう言うけど……
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