これを運命というのなら
企業してから、畑中や新たに加わった社員やスタッフ。

そして、綾乃に支えられて――ようやく軌道に乗ったのは2年半後。

長かったようで、あっという間やった気がする。


「会社を立ち上げてから、まともに休んでないやろ?軌道に乗ってきたし2日か3日くらい休め!」


綾乃もいる社長室で突然、畑中に言われたように休んでないことに気づいて。

綾乃に目を向けると大きく頷いているんやけど、綾乃もやな?

だからな、綾乃も休め、と言えば。

いいんですか?

俺と畑中を交互に見て、頷いた俺達に笑顔を向けた綾乃に。

畑中が社長室を出て行ったタイミングで。


「2人で出かけへん?」


え?と振り向いた綾乃は、どこに?と訊ねてくるから。

綾乃の行きたい所。


俺は特に行きたい場所もなくて、綾乃の笑顔を独り占め出来るならどこでもいい。

それに、もうええやろ?
あの言葉をもう一度、伝えても。


「考えておきます!」


そう言った綾乃に、来週の火曜日と水曜日。

手帳を広げて伝えると、はい!と笑顔をくれた。


あー!それから、もうひとつ伝えたいことがある。

軌道に乗ったらと考えていた、自分への褒美のこと。

綾乃にも一緒に見てほしい。

今はまだ内緒にしよう、綾乃の驚く顔も見たいから。
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