これを運命というのなら
わかった、と呟いた陽希さんから唇を重ねてくれたかと思えば、息もできないくらいまで深まっていくキスに。

胸が焼かれるくらいジンジンして。

はじめて唇を重ねた時に感じた痺れがまた、芯から感じる。


お互いに急かされるように、服を脱ぐと。


「こうして素肌で抱き合いたかった……」


優しく愛おしさ溢れる瞳で見つめられて、髪を撫でて。

苦しいくらいに抱き締められて、感じた素肌は自分の肌のようにしっくり馴染んで。

私もギュッと背中に腕を回して抱き締め返していて。

少しこのまま……と、陽希さんは耳元で甘く低く囁いて。

本当に少しの後――壊れ物でも触るように触れてくれる。

甘い痺れと、吐息と自然と零れる淫らな声は自分でも恥ずかしくなるくらいで。

抑えようとしても、抑えきれない。


背筋から脳天を突き抜けるような甘い快感に、身体の力が抜けた私を見て、口角を妖艶に上げて陽希さんは満足気に微笑んで。


額を合わせてくれるから、ふふっと微笑み返せば、陽希さんも微笑んで、自然と唇が重なって。

上唇と下唇を食んで、また微笑み合って――…思っていた通り無駄ものがないお腹や背中を撫でると。


「……もう……限界……かまへん?」


私の返事を待つことなく、下着を脱いだ陽希さんとひとつになっていて。

もうそれだけで快感が背筋を駆け上がって堪える。


きっと、私のために誂えられたんじゃないかと錯覚してしまいそうになるくらい……

一瞬にして、陽希さんの形に合わせて形を変えて絡み付くなんて……今まで経験したことのない感覚で、
全てを奥まで呑み込むまでに堪えているのも限界で、何度も軽い痙攣を繰り返している。
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