可愛い番犬を育成したつもりがどうやら狼だった件~だけどやっぱり私の犬はとっても可愛い~
1.あの日の思い出
それは暑い夏の日だった。
隣の領地との境にある花畑へピクニックへと行った私の目に飛び込んできたのは、黒髪の小さな男の子をいじめる少年たち。
彼の髪を掴み、何かしらの罵倒をしながら囲む姿は幼いながらにも不快で、当時の無鉄砲な私は苛立った勢いで彼らに突撃したのだ。
『格好悪いのよッ!』
そう怒鳴りながら体当たりをし、一人倒した私は突然の乱入者に驚いている別のいじめっ子の少年も突き飛ばす。
そして囲われていた少年へと手を伸ばしたのだが、その時耳元でジャキンと耳障りな金属音がした。
風で舞う赤茶の髪はどう見ても私の髪の毛で、その様子を目を見開き愕然とした様子で見つめる少年の赤い目が印象に残っている。
どうやらいじめっ子の一人がハサミを持ってきていたらしい。
幸いにもそのハサミは私の肌には当たらず、髪の毛を一房切っただけで済み、私と一緒に来ていた護衛に彼らはすぐに拘束された。
恐らく黒髪の少年を脅すために持ってきていたのだろう。
髪の毛を切られたタイミングで私の侍女と護衛が割り込み、彼らとは引き剥がされたのでそれ以上髪が切られることも怪我をすることもなく終わった。
隣の領地との境にある花畑へピクニックへと行った私の目に飛び込んできたのは、黒髪の小さな男の子をいじめる少年たち。
彼の髪を掴み、何かしらの罵倒をしながら囲む姿は幼いながらにも不快で、当時の無鉄砲な私は苛立った勢いで彼らに突撃したのだ。
『格好悪いのよッ!』
そう怒鳴りながら体当たりをし、一人倒した私は突然の乱入者に驚いている別のいじめっ子の少年も突き飛ばす。
そして囲われていた少年へと手を伸ばしたのだが、その時耳元でジャキンと耳障りな金属音がした。
風で舞う赤茶の髪はどう見ても私の髪の毛で、その様子を目を見開き愕然とした様子で見つめる少年の赤い目が印象に残っている。
どうやらいじめっ子の一人がハサミを持ってきていたらしい。
幸いにもそのハサミは私の肌には当たらず、髪の毛を一房切っただけで済み、私と一緒に来ていた護衛に彼らはすぐに拘束された。
恐らく黒髪の少年を脅すために持ってきていたのだろう。
髪の毛を切られたタイミングで私の侍女と護衛が割り込み、彼らとは引き剥がされたのでそれ以上髪が切られることも怪我をすることもなく終わった。
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