可愛い番犬を育成したつもりがどうやら狼だった件~だけどやっぱり私の犬はとっても可愛い~
ジェイクも、私好みの軽食を持ってきているのだから私だと気付いているのだろう。
(今日の婚活も失敗ね)
私の可愛い番犬が睨みを利かせているので、きっとこの後他の令息とお近づきになることは出来ないだろうと判断した私はジェイクへと向き直った。
折角来たのだ、楽しまないなんて損である。
「ねぇ、その右側のやつが食べたいわ」
「可憐な姫君は僕を転がすのが上手いですね」
私のおねだりにくすりと笑ったジェイクが、私の指定したメレンゲの添えられたバナナケーキをフォークで一口サイズにカットする。
そして、いつものようにフォークごと渡してくれると思った私を笑顔で制した彼が、何を思ったのか私の口元にケーキを差し出した。
「えっ」
「さぁどうぞ。あーん」
「あ、あーん……」
初めてされた『あーん』に動揺するが、ここは仮面舞踏会の会場。私が誰かは他の招待客からはわからない。
ジェイクも一向に引く様子がないので、私は仕方なくそのままぱくりと彼が差し出したケーキを口にした。
(でもジェイクには私だってバレてるのよね)
(今日の婚活も失敗ね)
私の可愛い番犬が睨みを利かせているので、きっとこの後他の令息とお近づきになることは出来ないだろうと判断した私はジェイクへと向き直った。
折角来たのだ、楽しまないなんて損である。
「ねぇ、その右側のやつが食べたいわ」
「可憐な姫君は僕を転がすのが上手いですね」
私のおねだりにくすりと笑ったジェイクが、私の指定したメレンゲの添えられたバナナケーキをフォークで一口サイズにカットする。
そして、いつものようにフォークごと渡してくれると思った私を笑顔で制した彼が、何を思ったのか私の口元にケーキを差し出した。
「えっ」
「さぁどうぞ。あーん」
「あ、あーん……」
初めてされた『あーん』に動揺するが、ここは仮面舞踏会の会場。私が誰かは他の招待客からはわからない。
ジェイクも一向に引く様子がないので、私は仕方なくそのままぱくりと彼が差し出したケーキを口にした。
(でもジェイクには私だってバレてるのよね)