可愛い番犬を育成したつもりがどうやら狼だった件~だけどやっぱり私の犬はとっても可愛い~
赤らめたいのはこちらだが、私は彼の飼い主なので仕方ないと、彼の頬を軽くつねるだけで許してあげた。
「ちゃんと最後まで責任取るわ。だから貴方も、ちゃんと私のお父様に挨拶に来るのよ? 犬としてじゃなく、婚約者として」
「……! 行く、今すぐ行きたいくらい!」
さっきまでどこかしょんぼりとしていた彼の表情がパアッと輝き、ガバッと体を起こす。
相変わらず幻覚なのだが、激しく振られる尻尾が見えるようだった。
「疲れたからもう少し休んでからね」
ほら、と両手を広げると、すぐに私の胸にジェイクが飛び込んでくる。
相変わらずこの犬みたいな仕草が可愛く、私の頬にすりすりと顔を擦るジェイクの頭をゆっくりと撫でた。
「婚約の申し込みくらいされてみたかったんだけどなぁ」
今更後悔している訳ではないのだが、完全に既成事実からの婚約という形になったことを、若干残念に思いながらそんなことを口にすると、ジェイクも少し残念そうに小さく息を吐いた。
「エドムント侯爵家からは何度もヴラスタ伯爵家へ婚約申し込みしてたんだけどね」
「え、そうなの?」
「ちゃんと最後まで責任取るわ。だから貴方も、ちゃんと私のお父様に挨拶に来るのよ? 犬としてじゃなく、婚約者として」
「……! 行く、今すぐ行きたいくらい!」
さっきまでどこかしょんぼりとしていた彼の表情がパアッと輝き、ガバッと体を起こす。
相変わらず幻覚なのだが、激しく振られる尻尾が見えるようだった。
「疲れたからもう少し休んでからね」
ほら、と両手を広げると、すぐに私の胸にジェイクが飛び込んでくる。
相変わらずこの犬みたいな仕草が可愛く、私の頬にすりすりと顔を擦るジェイクの頭をゆっくりと撫でた。
「婚約の申し込みくらいされてみたかったんだけどなぁ」
今更後悔している訳ではないのだが、完全に既成事実からの婚約という形になったことを、若干残念に思いながらそんなことを口にすると、ジェイクも少し残念そうに小さく息を吐いた。
「エドムント侯爵家からは何度もヴラスタ伯爵家へ婚約申し込みしてたんだけどね」
「え、そうなの?」