可愛い番犬を育成したつもりがどうやら狼だった件~だけどやっぱり私の犬はとっても可愛い~
もちろん今でも最低限相手の家柄は確認されるものの、現状この国では自由恋愛・恋愛結婚が普通であった。
「というか、エリシュカの場合は……」
「迎えに来たよ、エリー」
ルツィエの言葉を遮るように子爵邸の庭へと顔を出したのは、幼いあの頃の面影残る艶やかな黒髪とルビーのような赤い瞳。
あの頃とは違い背も伸びてしなやかな筋肉も美しい番犬……いや、青年になった、ジェイク・エドムント侯爵令息だ。
「あら、ジェイク。もうそんな時間?」
「うん。ちゃんと時間通りに来たよ」
「そうなの、いつもありがとう」
私の座っている足元へ跪いたジェイクの頭を撫でながらお礼を告げると、嬉しそうに瞳を細める。
その姿は本当に可愛い犬のようで、背はいつの間にか大きく抜かされてしまったけれど、弟のようなペットのような彼が可愛く見えて仕方ない。
そんなジェイクが、そっと私の髪を一房手に取り口付けた。
「ッ」
まるで王子様のような仕草だが、残念ながら彼は自称私の犬。
私とてもうお姫様に憧れるような年ではないけれど、今でもこの髪型にしているのは彼が伸びた髪を大切そうに見つめるからである。
「というか、エリシュカの場合は……」
「迎えに来たよ、エリー」
ルツィエの言葉を遮るように子爵邸の庭へと顔を出したのは、幼いあの頃の面影残る艶やかな黒髪とルビーのような赤い瞳。
あの頃とは違い背も伸びてしなやかな筋肉も美しい番犬……いや、青年になった、ジェイク・エドムント侯爵令息だ。
「あら、ジェイク。もうそんな時間?」
「うん。ちゃんと時間通りに来たよ」
「そうなの、いつもありがとう」
私の座っている足元へ跪いたジェイクの頭を撫でながらお礼を告げると、嬉しそうに瞳を細める。
その姿は本当に可愛い犬のようで、背はいつの間にか大きく抜かされてしまったけれど、弟のようなペットのような彼が可愛く見えて仕方ない。
そんなジェイクが、そっと私の髪を一房手に取り口付けた。
「ッ」
まるで王子様のような仕草だが、残念ながら彼は自称私の犬。
私とてもうお姫様に憧れるような年ではないけれど、今でもこの髪型にしているのは彼が伸びた髪を大切そうに見つめるからである。