闇姫
理事長室に着いた。
広い。第一印象をいうとしたら、「広い」これが一番あっていると思う。

広すぎて怖いんだけど。

まぁこんなところで怖気ついてる
場合じゃないわよね。

コンコン

ちゃんとノックはするわ。

理事長「どうぞ。」

由衣「失礼します。」

中に入ると、キレイな椅子に座った
おにーさんがいた。

うそ、この人が理事長なの?若すぎない?

……てかコイツ、先代の鬼神の総長サマじゃん。

むかつく。
まあコイツに恨みはないから復讐はしないけど。
邪魔したら容赦なく潰す。

私は心の内で思っている物騒なことを悟られないように、
営業スマイルで対応する。

「君が転校生の松枝さんかな?」

「……はい、そうです。松枝由衣です。
 よろしくお願いします。」

お、いい人そうね。
鬼神の総長サマだからといって、軽蔑するのも
アレね。ちゃんと生徒として接しよう。

「…………よろしくね。
 では、この学校の説明でもしようか。
 この学校はいわゆる不良校といわれる学校で、
 『鬼神』と呼ばれる暴走族が所属している。
 他にもレディースがいて、この学校の生徒は
 全員暴走族に所属しているよ。
 あと、徳田花音という子がいるんだけど、
 その子は鬼神の姫だよ。」

へぇー、知ってるけど、ここまで教えてくれるなんて
思ってなかったわ。

てか、花音のヤツ、まだオヒメサマ続けてんだ。

こりゃイジメ確定だな。

まぁ、時期がくれば復讐するから
どうでもいいけどね。

「そうなんですね。教えてくださり、
 ありがとうございます。」

「………………あ、ああ。
 それでは君のクラスの担任を呼ぼう。」

何よ?今の間は。

とか考えていると、理事長室のドアがノックされた。

入ってきたのはイケメンの男の人。
多分この人が担任じゃないかしら?

「どうも、初めまして。松枝由依さんのクラスの
 担任の柴レオンです。」

イケメン様はごてーねーに挨拶してくる。

「…柴先生、今日からよろしくお願いします。」

今気づいたけど、このイケメン様も
先代の鬼神の副総長サマじゃん。

いい人そうね。
先代は比較的幹部にいい人が多い代だったのかしら?

「?ああ。ではクラスに案内しよう。」

?なんか、不思議そうな顔してる。
どうしたんだろう?

まあいいわ。
やっとクラスに行けるのね。


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