黒色無双
悠祐ちゃん、じゃなくて悠佑くんだったのか……。




それにしても、真っ黒だったな。



みなさん、『白って二百色あんねん』って知ってますか?


それと同じように、黒もいろんな種類があって、その数なんと三百色。


その三百色のなかで一番黒いのが、桶川悠佑にぴったりな色だと思う。





昼休みだったことをすっかり忘れてたから、急いで教室に戻った。



「美嘉おかえりい。遅かったなあ」


「美嘉ちゃんどしたの、顔赤いけど」


「えっ赤い?」


あたしは慌てて顔に手を当てた。


「なになに、イケメンでもおったん」


さすが紗雪。


あたしはこくりと頷いた。



「えほんと!?なんて名前の人?何年生?」


はるちゃんが意外に食いついてきた。


あたしと同じ面食いなのかも。



「桶川悠佑」


「「えっ?」」


クラスの人の名前もだんだん覚えてくると、休んでいる人の名前も記憶に刻まれてるらしい。



「桶川悠佑って、女の子ちゃうん?」


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