黒色無双
顎のあたりで髪を切り揃えている、国語教師。


愛嬌があって、優しそうな先生でひと安心した。



教室を見渡すと、あたしの隣の席の人以外は全員来てた。



名前をチラっと見てみると、『桶川(おけがわ)悠祐(ゆう)』と書いてあった。


悠祐ちゃん、って言うのかな……?


隣の席の子が、女子でよかった。


あたしはなんとなく、女子という生き物に、絶対的な信頼を置いていた。

今までの学校とか、クラスでは、女子イコール仲間!っていうレッテルが常に貼られていたからだと思う。


それに、男子ってデリカシーないこと多いから!


全員がそうとは限らないのはわかっているけど、そういうイメージしか思い浮かばない。





先生や、生徒一人ひとりの自己紹介もあったり、楢岡高校の説明もあったりで、時間が経つのは新幹線並みに早かった。



そしていつの間にか昼休み。

中学は給食だったから、弁当を食べるのはちょっと変な感じ。



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