天才と呼ばれた彼女は無理やり入れられた後宮で怠惰に過ごしたい!①
どんな人か興味はある
私が王宮の情報を手に入れられる方法は少ない。アナベルが他のメイドに聞いてきたこと、図書室の司書のクロード、ウィルの3人のみ。
「ねぇねぇ。王様はどんな方かメイドのなかで噂してることはないの?」
アナベルはニッコリとほほ笑む。
「まぁ!お嬢様が陛下に興味をお持ちになるなんていい傾向です!……そうですねぇ。かなり美男子らしいです。密かに想われている令嬢は数しれずと言われているそうですが、実は好きな女性がいるんじゃないかって、噂です。だから後宮に近寄らないし、パーティーにもでてこないんじゃないかって……あくまでも噂ですけどね」
「へええ。王様に想い人がいるなら、尚更、好都合ね」
「何が都合良いんですかっ!?お嬢様、ここは焦るところです!」
アナベルが呆れている。想い人がいるなら、それこそお払い箱になる日は近いじゃないの。
図書室でクロードとウィルにも聞いてみる。
「王様ってどんな人なの?」
ウィルが驚いて、キョトンとした顔をした。
「何?王様に興味出てきたの?リアンは王妃になる気持ちになってきたの?」
「ううん。単なる好奇心かな」
あ、そう……とウィルは言うと、そうだなぁと考えている。
「僕が見るからには気性は荒い。怒ると手がつけられない気がするな」
「えっ!?そうなの?」
「もー、騎士団と訓練するんだけど、負けず嫌いでさ、勝つまでやるんだ……みんな勘弁してほしいーって顔してるよ」
アハハハと私は思わず笑った。そんな私の声を出して笑う姿にウィルは目を細めた。
「良かった。久しぶりにリアンの笑い声聞いたよ」
「そうだった?」
司書のクロードが本から顔をあげてサラッと言う。
「顔を見たことない好きでもない男に嫁ぐ気持ちは複雑ですよねー」
「ほんとにそのとおりよ。なぜ他の令嬢達が陛下のために努力できるのか謎よ。まったく知らない人のところへお嫁に行くなんて普通は嫌じゃないの?」
ウィルはリアン……と呟き、同情するような悲しい目で見る。
「でも陛下は、そんな悪い男ではないから、大丈夫ですよ。リアン様もお気に召すのでは~?」
クロードがニヤニヤと笑っている。私は腕組をして、不敵に笑い返した。
「大丈夫よ!私の全能力を駆使して、会わない、近寄らない、関わらないようにして、怠惰に過ごしてみせるわ!」
「えっ?なんなの!?その目標おかしくないかな!?」
ウィルが私の目標を聞いて、リアン大丈夫!?となぜか動揺している。
「あら?ウィルにもピッタリだと思うわよ?呑気でのんびり屋でいつもボケーっと本を読んでいたじゃないの」
「まあ、嫌いじゃない過ごし方だよ……って、じゃない!リアンはつまり……その……」
「王妃にならないで、お払い箱になる日を待つわ。そして、王妃候補選定期間はゆっくりと平和に過ごすわ。そのための王様ってどんな人?っていう質問だったのよ。まずは敵を知らないとね!」
「なんで王様を敵にしてるんだろうか……」
ウィルの呟きにクロードは後ろでアー
ッハハハと大爆笑している。
「変わった令嬢だなー。これは陛下も手を焼きそうだ!……でも逆に気に入られちゃうかな?ウィル君、どーする?」
「……別にどうもしないさ!」
そうクロードに言われると、珍しくウィルの方が先に図書室から出て行く。
「なんかウィル怒ってた?」
「さぁねー?……さあ、タイムリミットだ。本を借りるの借りないの?」
あ、借りまーすと私は本をいつも通り借りて、自室へ帰ったのだった。
「ねぇねぇ。王様はどんな方かメイドのなかで噂してることはないの?」
アナベルはニッコリとほほ笑む。
「まぁ!お嬢様が陛下に興味をお持ちになるなんていい傾向です!……そうですねぇ。かなり美男子らしいです。密かに想われている令嬢は数しれずと言われているそうですが、実は好きな女性がいるんじゃないかって、噂です。だから後宮に近寄らないし、パーティーにもでてこないんじゃないかって……あくまでも噂ですけどね」
「へええ。王様に想い人がいるなら、尚更、好都合ね」
「何が都合良いんですかっ!?お嬢様、ここは焦るところです!」
アナベルが呆れている。想い人がいるなら、それこそお払い箱になる日は近いじゃないの。
図書室でクロードとウィルにも聞いてみる。
「王様ってどんな人なの?」
ウィルが驚いて、キョトンとした顔をした。
「何?王様に興味出てきたの?リアンは王妃になる気持ちになってきたの?」
「ううん。単なる好奇心かな」
あ、そう……とウィルは言うと、そうだなぁと考えている。
「僕が見るからには気性は荒い。怒ると手がつけられない気がするな」
「えっ!?そうなの?」
「もー、騎士団と訓練するんだけど、負けず嫌いでさ、勝つまでやるんだ……みんな勘弁してほしいーって顔してるよ」
アハハハと私は思わず笑った。そんな私の声を出して笑う姿にウィルは目を細めた。
「良かった。久しぶりにリアンの笑い声聞いたよ」
「そうだった?」
司書のクロードが本から顔をあげてサラッと言う。
「顔を見たことない好きでもない男に嫁ぐ気持ちは複雑ですよねー」
「ほんとにそのとおりよ。なぜ他の令嬢達が陛下のために努力できるのか謎よ。まったく知らない人のところへお嫁に行くなんて普通は嫌じゃないの?」
ウィルはリアン……と呟き、同情するような悲しい目で見る。
「でも陛下は、そんな悪い男ではないから、大丈夫ですよ。リアン様もお気に召すのでは~?」
クロードがニヤニヤと笑っている。私は腕組をして、不敵に笑い返した。
「大丈夫よ!私の全能力を駆使して、会わない、近寄らない、関わらないようにして、怠惰に過ごしてみせるわ!」
「えっ?なんなの!?その目標おかしくないかな!?」
ウィルが私の目標を聞いて、リアン大丈夫!?となぜか動揺している。
「あら?ウィルにもピッタリだと思うわよ?呑気でのんびり屋でいつもボケーっと本を読んでいたじゃないの」
「まあ、嫌いじゃない過ごし方だよ……って、じゃない!リアンはつまり……その……」
「王妃にならないで、お払い箱になる日を待つわ。そして、王妃候補選定期間はゆっくりと平和に過ごすわ。そのための王様ってどんな人?っていう質問だったのよ。まずは敵を知らないとね!」
「なんで王様を敵にしてるんだろうか……」
ウィルの呟きにクロードは後ろでアー
ッハハハと大爆笑している。
「変わった令嬢だなー。これは陛下も手を焼きそうだ!……でも逆に気に入られちゃうかな?ウィル君、どーする?」
「……別にどうもしないさ!」
そうクロードに言われると、珍しくウィルの方が先に図書室から出て行く。
「なんかウィル怒ってた?」
「さぁねー?……さあ、タイムリミットだ。本を借りるの借りないの?」
あ、借りまーすと私は本をいつも通り借りて、自室へ帰ったのだった。