天才と呼ばれた彼女は無理やり入れられた後宮で怠惰に過ごしたい!①
部屋から出れない日の過ごし方
図書室へ通えなくなり、暇さが増した。いや、怠惰への道を追求する時ではないだろうか?ここで何かしようとしたら負けだと思う!
「お嬢様、今日も外へ行けませんね」
本の返却はアナベルに頼んだ。クロードにウィルへ当分図書室は行けないわという伝言もお願いした。別にウィルとは約束して会っていたわけではないから、気にすることはないけれど、なんとなくだ。
「数日は無理でしょうね」
諦めた私は窓の近くにテーブルと椅子を持っていき、日向ぼっこすることにした。アナベルが、そんな過ごし方するんですか!?と驚き、あまり日に当たって日焼けとかやめてくださいよ!と注意してくる。
ボケーとしていると、ドアがノックされた。
「どうぞー」
また取り調べを受けるのかしら?と、思ったらシエラ様だった。私は思わず立ち上がって、お辞儀した。頬に頬杖していた手の跡がついてないといいのだけど。
「まぁ!シエラ様、お体、大丈夫ですか?お部屋から出て来られても良いのですか?」
解毒したのは私だから大丈夫だろうとは思いつつも聞いてみる。
「大丈夫ですわ。助けてくださってありがとうございます。お礼を伝えるために部屋から出ることを許してもらえましたわ」
「いいえ、お力になれたこと嬉しく思います。お気になさらないでください。まったく気にしないでください。本当に気にしないでください!」
関わるとめんどくさいので、さっさと部屋へ帰ってもらおうと気にしないで!を連発してしまった。窓辺で日向ぼっこを再開したい。
私の考えはアナベルにはお見通しらしく、苦々しい顔をしている。
「あの人ですわ!……ミリー伯爵令嬢ですわ!陛下のおいでになると噂のパーティーの時に言い争いをしてしまったのですわ」
帰る気ないの!?話を始めた彼女に私はやや絶望しつつ、しかたないと……礼儀正しく私は我慢して、椅子をどうぞと勧める。
シエラ様は優雅に座り、ドレスの裾をメイドがささっと直した。
「でも毒をどうやって……」
「簡単ですわ。わたくしたち、毎日お茶会をしておりますの。その時にチャンスはいくらでもありますわ!」
毎日!?お茶会をするの!?すごいわ。すごいリア充!!……違うところに驚いてしまった。
「まぁ……身辺をお気をつけあそばして」
私はそう心配するように言い、話を切る作戦に出た……が、シエラ様はとんでもなく迷惑なことを言い出した。
「今度お茶会に来てほしいのですわ。守ってほしいのです」
「ええーっと……」
「パーティーの時も傍にいてくださらない?」
めんどくさすぎる。アナベルはニヤッとしている。私が避けていたことを避けれなくなっていると思っているようだ。
「そ、そうですわねぇ。私は体があまり強くないので、体調が良いときに参りますわ」
騒ぎを聞き、誰よりも早い足で駆けつけて、魔法で解毒した病弱なクラーク男爵令嬢って……ちょっと苦しい設定かなと思いつつ言うと、シエラ様は悲しい顔をした。
「わたくしのこと、嫌いなのですね」
……やはり病弱じゃないってバレてしまってる。
「そ、そうではないんですけど……わかりましたわ。なるべく参りますわ」
嬉しいわ!と両手を合わせて笑うシエラ様。私、利用されてる?と思ったが、相手は公爵令嬢。……断われなかったのだった。
お茶会やパーティーに、どうにかして行かせたいアナベルだけはヨシッと小さくガッツポーズしていた。
シエラ様がやっと帰ってくれ、私は再び窓辺でボーっとしつつ、どうやって出席を回避しよう?めんどくさいなーと頬杖をついた。
「お嬢様、今日も外へ行けませんね」
本の返却はアナベルに頼んだ。クロードにウィルへ当分図書室は行けないわという伝言もお願いした。別にウィルとは約束して会っていたわけではないから、気にすることはないけれど、なんとなくだ。
「数日は無理でしょうね」
諦めた私は窓の近くにテーブルと椅子を持っていき、日向ぼっこすることにした。アナベルが、そんな過ごし方するんですか!?と驚き、あまり日に当たって日焼けとかやめてくださいよ!と注意してくる。
ボケーとしていると、ドアがノックされた。
「どうぞー」
また取り調べを受けるのかしら?と、思ったらシエラ様だった。私は思わず立ち上がって、お辞儀した。頬に頬杖していた手の跡がついてないといいのだけど。
「まぁ!シエラ様、お体、大丈夫ですか?お部屋から出て来られても良いのですか?」
解毒したのは私だから大丈夫だろうとは思いつつも聞いてみる。
「大丈夫ですわ。助けてくださってありがとうございます。お礼を伝えるために部屋から出ることを許してもらえましたわ」
「いいえ、お力になれたこと嬉しく思います。お気になさらないでください。まったく気にしないでください。本当に気にしないでください!」
関わるとめんどくさいので、さっさと部屋へ帰ってもらおうと気にしないで!を連発してしまった。窓辺で日向ぼっこを再開したい。
私の考えはアナベルにはお見通しらしく、苦々しい顔をしている。
「あの人ですわ!……ミリー伯爵令嬢ですわ!陛下のおいでになると噂のパーティーの時に言い争いをしてしまったのですわ」
帰る気ないの!?話を始めた彼女に私はやや絶望しつつ、しかたないと……礼儀正しく私は我慢して、椅子をどうぞと勧める。
シエラ様は優雅に座り、ドレスの裾をメイドがささっと直した。
「でも毒をどうやって……」
「簡単ですわ。わたくしたち、毎日お茶会をしておりますの。その時にチャンスはいくらでもありますわ!」
毎日!?お茶会をするの!?すごいわ。すごいリア充!!……違うところに驚いてしまった。
「まぁ……身辺をお気をつけあそばして」
私はそう心配するように言い、話を切る作戦に出た……が、シエラ様はとんでもなく迷惑なことを言い出した。
「今度お茶会に来てほしいのですわ。守ってほしいのです」
「ええーっと……」
「パーティーの時も傍にいてくださらない?」
めんどくさすぎる。アナベルはニヤッとしている。私が避けていたことを避けれなくなっていると思っているようだ。
「そ、そうですわねぇ。私は体があまり強くないので、体調が良いときに参りますわ」
騒ぎを聞き、誰よりも早い足で駆けつけて、魔法で解毒した病弱なクラーク男爵令嬢って……ちょっと苦しい設定かなと思いつつ言うと、シエラ様は悲しい顔をした。
「わたくしのこと、嫌いなのですね」
……やはり病弱じゃないってバレてしまってる。
「そ、そうではないんですけど……わかりましたわ。なるべく参りますわ」
嬉しいわ!と両手を合わせて笑うシエラ様。私、利用されてる?と思ったが、相手は公爵令嬢。……断われなかったのだった。
お茶会やパーティーに、どうにかして行かせたいアナベルだけはヨシッと小さくガッツポーズしていた。
シエラ様がやっと帰ってくれ、私は再び窓辺でボーっとしつつ、どうやって出席を回避しよう?めんどくさいなーと頬杖をついた。