天才と呼ばれた彼女は無理やり入れられた後宮で怠惰に過ごしたい!①
怠惰な時間は破られた
「お嬢様、お茶会に行かれたから、これから交流を深めるのかと思ったら……なんで相変わらずゴロゴロしてるんですーっ!?少し動かないとほんっとに子豚になります」
アナベルから叱られて、渋々ソファから起き上がり、体を動かすことにする。
「よいしょっと……」
「お嬢様?ソファを動かしてなにを……?」
引っ張っていき、窓辺に置いた。
「部屋の模様替えよ。よし。バッチリね」
「椅子を日当たりいいところに移動しただけですーっ!」
アナベルの期待を裏切って申しわけないが、やはりやる気なしの私は部屋で読書をしたり昼寝をしたり、いつもどおりである。
シエラ様とのお茶会から3日経つけど、あれからなんのお誘いもない。アナベルは逆にお茶会を開いて招いたらどうか?と言うが、私はそんなリア充ではないわ。
「なんですか?その小さなクッションは?」
「これ?肩のところに当てる用よ。これは肘をのせる用で用途によって、形を変えてあるんだけど……どう?昨日の夜に考えてみたわ」
心地良いようにミニクッションをいくつか作成してみた。肩のクッションなんて流行るかもしれない。
「また怠惰な方向へ能力を使ってますね」
「良いじゃな………しっ、足音がするわ……嫌な予感だわ」
バタバタと足音高く廊下から聞こえた。バンッと扉が開かれた。衛兵と……その後ろには騎士の制服を着た者もいる。
「リアン=クラーク男爵令嬢!シエラ=ワイアット公爵令嬢毒殺未遂事件の犯人として拘束する!」
「どういうことです!?うちのお嬢様は部屋から出ないひきこもりですよ!?そんなことするわけがありません」
「アナベル、庇ってくれたのに、その説明なんか、嬉しくないんだけど?」
咄嗟に言い返すアナベル。私に対してちょっとひどい。しかし間違いではない。
「このハンカチに見覚えはないか!?これがシエラ様のお部屋に落ちていた!そこに付着していたのが使われた毒だったのだ」
衛兵は私を取り押さえようと手を伸ばした。
「王国の法、第143条!罪に問われる者は正式にその罪を明らかになるまで、不当に自由を奪われるものではない!とあるわ」
な、なんだと?と私の勢いに負けて、数歩下がる人達。
「私はしてないわよ!ハンカチはその毒の事件後にシエラ様と親愛の証として交換をしたものです。ここにいるアナベルも見ていたから、証人もいます」
「そうです!事件の後にシエラ様を助けたお礼にお茶会に呼ばれて、お嬢様はハンカチを頂いてました!」
「馬鹿言うな!ハンカチはシエラ様が部屋にあり、おかしいと感じて報告したのだぞ!」
……やはりそうだったのね。私は違和感を感じていたのだ。お茶会に呼ばれたが、シエラ様は私に感謝していたわけではない。彼女は犠牲の仔羊を選んだに過ぎない。自分の計画に必要な当たり障りない仔羊が欲しかっただけだ。
「取り調べを行う!大人しくこい!」
両腕を掴まれて連れて行かれる。アナベルがキャアと悲鳴をあげた。
「メイドは関係ないでしょう?私だけ連れていきなさいよ」
「そんなわけいくか!」
怒鳴られる。私とアナベルはこうして部屋から連れだされ、罪人のための部屋へと送られたのだった。
アナベルから叱られて、渋々ソファから起き上がり、体を動かすことにする。
「よいしょっと……」
「お嬢様?ソファを動かしてなにを……?」
引っ張っていき、窓辺に置いた。
「部屋の模様替えよ。よし。バッチリね」
「椅子を日当たりいいところに移動しただけですーっ!」
アナベルの期待を裏切って申しわけないが、やはりやる気なしの私は部屋で読書をしたり昼寝をしたり、いつもどおりである。
シエラ様とのお茶会から3日経つけど、あれからなんのお誘いもない。アナベルは逆にお茶会を開いて招いたらどうか?と言うが、私はそんなリア充ではないわ。
「なんですか?その小さなクッションは?」
「これ?肩のところに当てる用よ。これは肘をのせる用で用途によって、形を変えてあるんだけど……どう?昨日の夜に考えてみたわ」
心地良いようにミニクッションをいくつか作成してみた。肩のクッションなんて流行るかもしれない。
「また怠惰な方向へ能力を使ってますね」
「良いじゃな………しっ、足音がするわ……嫌な予感だわ」
バタバタと足音高く廊下から聞こえた。バンッと扉が開かれた。衛兵と……その後ろには騎士の制服を着た者もいる。
「リアン=クラーク男爵令嬢!シエラ=ワイアット公爵令嬢毒殺未遂事件の犯人として拘束する!」
「どういうことです!?うちのお嬢様は部屋から出ないひきこもりですよ!?そんなことするわけがありません」
「アナベル、庇ってくれたのに、その説明なんか、嬉しくないんだけど?」
咄嗟に言い返すアナベル。私に対してちょっとひどい。しかし間違いではない。
「このハンカチに見覚えはないか!?これがシエラ様のお部屋に落ちていた!そこに付着していたのが使われた毒だったのだ」
衛兵は私を取り押さえようと手を伸ばした。
「王国の法、第143条!罪に問われる者は正式にその罪を明らかになるまで、不当に自由を奪われるものではない!とあるわ」
な、なんだと?と私の勢いに負けて、数歩下がる人達。
「私はしてないわよ!ハンカチはその毒の事件後にシエラ様と親愛の証として交換をしたものです。ここにいるアナベルも見ていたから、証人もいます」
「そうです!事件の後にシエラ様を助けたお礼にお茶会に呼ばれて、お嬢様はハンカチを頂いてました!」
「馬鹿言うな!ハンカチはシエラ様が部屋にあり、おかしいと感じて報告したのだぞ!」
……やはりそうだったのね。私は違和感を感じていたのだ。お茶会に呼ばれたが、シエラ様は私に感謝していたわけではない。彼女は犠牲の仔羊を選んだに過ぎない。自分の計画に必要な当たり障りない仔羊が欲しかっただけだ。
「取り調べを行う!大人しくこい!」
両腕を掴まれて連れて行かれる。アナベルがキャアと悲鳴をあげた。
「メイドは関係ないでしょう?私だけ連れていきなさいよ」
「そんなわけいくか!」
怒鳴られる。私とアナベルはこうして部屋から連れだされ、罪人のための部屋へと送られたのだった。